三月ひなのつき
2011年 02月 20日
私は一人っ子、両親は公務員、何不自由なく大きくなった。
でも私には小さいころから欲しいけど何故か我が家には縁のなかったものがある。
『雛人形』だ。
2年前のこの時期、「あいことば」の“おはなしきこうのコーナー”で、絵本の先生から「三月ひなのつき」という本を紹介してもらった。
石井桃子さんの有名な本だった。読んで泣いた。めちゃめちゃ泣いた。
そして私は幼少の頃から欲しかった「雛人形」を想い出してしまったの。
友達の家や、幼稚園の玄関に飾られる赤と金ぴかの7段飾り、欲しかったなぁ。
でも買ってもらうこともなく、毎年TVの上に私が折り紙で作ったお内裏様とお雛様を飾っていた。
何故一人っ子なのに、女の子なのに、雛人形を買ってもらえなかったのだろう?と不思議に思っていたことを、想い出してしまったの。
でも、私はそんなにおねだりしたこと無かったからな…。
2年前、石井桃子さんの「三月ひなのつき」を読んでから、娘には絶対に7段飾りを買ってあげるんだと心には思っていました。
今年、娘も3歳になったしそろそろ…と思ってお雛様コーナーを一人内緒でチラチラ見ていました。
コレ!というのを見つけて買いに行ったら、もう売り切れていたりと縁の無さを感じました。
そして、母に思い切って相談してみました。
7段ではなくてもいい、3段でいいから、お道具なんかを並べてみたいと…。
娘に買ってあげようとした私ですが、一番欲しかったのは私。
私が気に入ったものを買って、娘に引き継いで行きたい、それが本音です。
ショッピングセンターではなく老舗デパートに母と行きました。
母は、あなたが気に入ったものであればと選ばせてくれました。
お雛様もお内裏様もいいけど、お道具を並べたい!
でも、私が選んだのは…。
我が家に到着!
御、という字の書かれた箱が愛おしい。日本って感じ。
私が選んだ念願のお雛様。
私が選んだのはお雛様とお内裏様だけのシンプルな立ち雛でした。
とっても素敵な3段もあったのに何故かこのお雛様に出会った瞬間「私コレ買うだろう」と思ったの。一杯見たけど、コレに決めた理由。
お雛様が「買ってください」と言っていたから(笑)
ぬいぐるみとかによくある気持ち。
うつむき加減のお雛様が、とっても奥ゆかしくいいお顔。
私には無い奥ゆかしさが美しかった。
娘はどう思うか?
きっと末永く愛してくれるはず。だってお母さんが気に入ったものだもの。
「思い」が大事、「受け継ぐ」が大事、それを総合的に教えてくれた「三月ひなのつき」という絵本と共に、大切にしていくお雛様に出会えた今日。
我が家の仏間には、仏壇2つ、そしてお雛様が美しく並んでいます。